函館、旭川方面の追加運転

 2017.11.19

 冬の臨時列車で函館、旭川方面の追加運転が公表されました。期間中の函館方面は48本、旭川方面は5本増発されます。これに伴い、冬の臨時列車は合計281本となりますが、前年比で125本減となるほか、15年度の316本を下回り、近年では最も少ない運転本数です。

 この背景にあるのは、北海道新幹線や函館方面の増発が、前年から大幅に見直されているためです。新幹線と「はこだてライナー」はそれぞれ前年の56本から24本に減便、函館方面は前年の124本から約6割の減便となります。

 今季の函館方面は運転日が複雑化し、編成両数も列車によって変わります。前年は多くの運転日で1日2往復あった運転本数も、今季は最大で1日3本となっており、該当するのは年末の12月29,30日、年始の1月2,3日です。逆に最も少ないのは、1月5~8日の1本です。下りが4日間多くなっており、札幌に到着する列車が重視されています。

 函館方面で目に付いたのは、2月に増発される洞爺発の「北斗85号」です。国鉄時代に洞爺発着の急行「とうや」「ちとせ」がありましたが、「北斗」の洞爺発は見たことがありません。雪まつり期間の終盤以降に運転されるのは、中華圏の旧正月(春節)にあわせている可能性があるようです。

 <旭川方面の増発>

 旭川方面は今季、「ライラック旭山動物園号」の運転が決まりました。今年7月にキハ183系気動車から789系電車に取り替えて、大規模なリニューアルを図りました。前年は運転がなかったので、観光列車の復活は頼もしいことです。そして今回、年末年始の「カムイ63・70号」の増発が決まりました。

 「カムイ63号」の札幌11:33発、「カムイ70号」の旭川11:27発は、7年前に運転を取りやめた時間帯です。旭川方面は2010年12月改正で8本、13年11月改正で2本、それぞれ減便されました。さらに今年3月改正で、網走、稚内方面の特急列車見直しの影響で6本減便となり、7年で合計16本の減便となっています。

 旭川方面は札幌圏に次いで輸送密度が高い線区ですが、16年度輸送密度は1日8912人となり、9000人を下回りました。札幌~旭川間は通称「ドル箱路線」といわれてきましたが、利用客減少の影響が出てきました。旭川方面の増発は、減便の影響が大きすぎるのでしょう。残念なのは年末に下り3本、年始に上り2本の運転にとどまっていることです。

 札幌~旭川間は現行で54本の特急列車が走っていますが、これは1988年3月改正当時と変わりません。現行の運転本数は、JR北海道の発足当初に近い状況となっています。

 それでも年末年始に5本の増発にとどまるというのは、旭川方面の輸送力が十分であるということになります。1列車あたりの輸送力は、当時の781系電車「ライラック」「ホワイトアロー」を上回りますが、毎時30分ヘッドの「エル特急」時代から見れば、旭川方面の利便性低下は深刻な事態です。

 <負の連鎖>

 今季の追加運転は、利用が見込める時期に絞っているように見えます。ひとつ心配されるのは負の連鎖です。定期列車や臨時列車の見直しは、実際に利用客の減少につながりました。その影響が再度、定期列車の見直しなどにつながることです。そうなれば、さらに利用客が減少するおそれがあります。

 今季は旭川方面で「ライラック旭山動物園号」が復活し、SL列車も頑張っていますが、今季の臨時列車が300本を下回ることは、冬季観光に強い北海道においては、ゆゆしき問題です。

 とりわけ前年、あれほど盛り上がった新幹線や函館方面が、今季は大幅な減便となりました。線区の見直しだけでなく、臨時列車の増発についても、より厳格になっていくのでしょうか。



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Author:dieseltrain


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