維持困難線区の見直し

 2017.10.17

 JR北海道は昨年11月、道内の13線区を「当社単独では維持することが困難な線区」に指定しました。来月、各線区の指定から丸1年となりますが、維持困難線区の見直しは、将来の廃止が決定した石勝線夕張支線を除いて、ほぼ全線区でこう着状態にあります。

 この1年、なぜ議論が進まないのでしょうか。道内各線区の現状は、まるで国鉄末期のようです。1980年代に入り、多くの赤字線区が特定地方交通線に指定されましたが、当時、廃止対象となった路線の沿線各地域では、激しい反対運動が起こりました。

 維持困難線区は特定地方交通線の再来です。国鉄は不採算路線を徹底的に切り捨てました。その後、特定地方交通線の沿線地域がどうなったのか、いうまでもありません。維持困難線区の沿線地域が、鉄道の維持を求めるのは当然です。

 しかし、国鉄時代のように反対の時間稼ぎをしても、鉄道施設や車両の老朽化は止められません。見直しの協議が長期化すると、安全対策や更新の費用が増えることにもつながります。

 JR北海道の廃止基準は、特定地方交通線と比べて厳しくなっています。当時の基準を当てはめると、維持困難線区の全線区が廃止、バス転換の対象となってしまいます。

 線区見直しの停滞を打開する動きも出てきました。今年2月、道の鉄道維持に関する報告書が公表され、「札幌圏と中核都市等をつなぐ路線」「国境周辺地域の路線」は維持されるべきと明記されました。これに該当する石北本線、宗谷本線、根室本線(釧路~根室)は存続が有力となっています。

 しかし、採算性をそれほど考慮せず、ある基準を設けて維持することは、特例を設けて対象線区から除外した特定地方交通線の選定基準と似ています。13線区の一部は特例によって廃止を免れ、JR北海道に承継された線区です。あれもこれもと維持すれば、結局は全線区の維持につながる可能性があります。

 1987年4月1日の国鉄改革の際、「ローカル線(特定地方交通線以外)もなくなりません」という標語がありましたが、今日、JR北海道の営業キロの半分が存廃の対象となっています。

 維持困難線区の一部では、利用促進策や経費節減の相談に応じる線区があるようです。JR北海道の丁寧な説明はこれからも続きます。



広告


広告

お知らせ

いつもごらんいただきまして、ありがとうございます。

このほど、60万アクセスを達成しました。

今後も当ブログをよろしくお願いします。

広告

プロフィール

Author:dieseltrain


-

-