網走、稚内方面厳しい冬を迎える

 2017.12.01

 先月、網走方面と稚内方面で特急列車の車両変更や運休が相次ぎました。その理由の多くが車両不具合でした。可能な範囲で調べたところ、エンジントラブルといった事象ではなく、おおむね「車輪の傷」が原因となっていました。

 冬期になると車輪と制輪子が凍結し、車輪が回転しない状態で引きずられることから、車輪に傷が発生しやすいようです。また、線路上に動物が侵入するなどして、列車が急ブレーキをかけた際にも、同様のケースがあるようです。

 このため、JR北海道は車輪の傷に関しては厳しく対応しており、基準値を超える傷が発生した場合は運用を取りやめて、運転所で車輪削正作業を行っています。

 他にはATSやブレーキの不具合がありましたが、この件については、車両の老朽化も影響していると思います。

 JR北海道の安全対策は効果を上げています。危険な場合は「列車を止める」ことへの重要性を認識しますが、車両変更や運休の回数が増えることは、列車の遅れや利便性低下などにつながるため、安全最優先とのトレードオフが大きいように見えます。

 網走、稚内方面は今年3月4日のダイヤ改正で、特急列車8本の見直しが実施されましたが、改正後の稚内方面の使用車両は、改正前から少なくとも半減しており、「綱渡り」の車両運用となっていることは確かです。また、網走方面についても、運用する編成を改正前から1本減らしました。網走、稚内方面は目に見える以上に抜本的な見直しとなりました。

 先月の「宗谷」「サロベツ」車両変更の際は、キハ183系気動車を中心に充当されたため、列車が所定時刻で運転できなくなるなどの影響がありました。

 網走、稚内方面が現在もキハ183系に依存せざるを得ないのは、振り子気動車や新型特急気動車の投入が原則、困難であるためです。投入できる特急気動車は、老朽化が著しいキハ183系もしくはキハ261系しかありませんが、キハ261系は、需要が見込める線区に重点投入されているため、キハ183系が頼りとなってしまいます。

 しかしこれは、キハ183系が元気だから可能でした。代走の代名詞だった0番台は、17年度中の全廃が決まっており、特に網走方面で打撃を受けることは確実です。また、キハ183系は来年、リゾート気動車を含めて車齢25年以上となっており、N183系は車齢31年、NN183系も車齢27年以上となります。JR北海道発足当初に投入したNN183系は、来春30年の大台を迎えます。

 キハ183系も本格的な淘汰の時代を迎えました。キハ183系に依存する網走方面や、予備車が少ない稚内方面は、近い将来、特急列車の現状維持が難しくなってくるはずです。

 石北本線、宗谷本線は維持困難線区に指定されており、線区の存廃が焦点となっていますが、車両(気動車)の問題については、それほど重要とされていないことが気になります。

 いよいよ師走となり、道内は本格的な冬に入ります。道内各線区では、車輪の問題がさらに表面化するおそれがあります。動物の侵入が多くなる地方線区は、例年、列車の運転に影響することが少なくありません。

 今改正の特急列車見直しから9か月、網走、稚内方面はさらに厳しい冬を迎えます。



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Author:dieseltrain


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