使用車両の全廃が線区の廃止

 2016.11.23

 JR北海道は道内の13線区で抜本的な見直しを行うことになりましたが、輸送密度や営業係数のことがピックアップされています。しかし、最も重要なのは、線区を維持しても走らせる車両がなければ意味がないことです。

 見直し対象線区のうち、室蘭本線と富良野線以外は、国鉄時代のキハ40形気動車やキハ54形気動車が主力で、車齢30年以上となっています。日高本線と札沼線は、線区の事情に合わせてキハ40の専用車両が投入されています。

 日高本線のキハ40-350番台は車齢34~37年、札沼線のキハ40-400番台は車齢36年となっており、老朽取替が急務となっています。しかし、札沼線と日高本線は「当社単独では維持することが困難な線区」に指定されており、存続の瀬戸際にあります。

 -使用車両の全廃が線区の廃止-

 札沼線に投入するキハ40-400番台は2両しかありません。このため、車両検査などの際は、ほかのキハ40に変更することもあります。

 ところが、キハ40は平均で車齢35年となっているため、400番台を仮に全廃しても、取り替える車両がありません。この線区は単行で豪雪地帯を走行するため、強力なエンジンと空転に強い台車を装備した車両が要求されています。

 また、日高本線は本来、発足当初に投入したキハ130形気動車が今日まで活躍するはずでしたが、徹底した経費削減が裏目になり、「気動車の耐用年数」しか運用できませんでした。

 結局、改良したキハ40を10両運用しているのですが、JR北海道の現状から、全車の老朽取替は非常に厳しいと思われます。投入車両も線区の大半が太平洋沿岸を走っているため、塩害に強い車両が要求されています。

 2線区ともに老朽取替が行われない場合、使用車両の全廃が線区の廃止につながる可能性もあります。

 -観光列車にも経費削減の影響-

 ディーゼル機関車の老朽化のため、今年2月の運行をもって、釧網本線の「流氷ノロッコ号」が運転を取りやめました。来年1月末から気動車化した「流氷物語号」を新設し、釧網本線の流氷観光列車は存続されることになりましたが、使用車両は定期列車との共通運用が行われることになりました。

 釧網本線も「当社単独では維持することが困難な線区」に指定されています。経費がかけられない線区には、重要な設備投資は見込めません。「流氷物語号」は現行の一般気動車を塗装変更する程度にとどめており、「SL冬の湿原号」も蒸気機関車が1両しかなく、重連運転は不可能になりました。観光列車にも経費削減の影響が出ています。

 <専用車両の車齢>

 左から車番、新製年、車齢となります。
 ワンマン化やエンジン換装の施工日は省略します。

 キハ40-350番台(日高本線)

 キハ40-351(231) 1981.4   35年
 キハ40-352(155) 1980.1   36年
 キハ40-353(201) 1980.11  36年
 キハ40-354(118) 1979.9   37年(最年長)
 キハ40-355(156) 1980.1   36年
 キハ40-356(190) 1980.7   36年
 キハ40-357(246) 1982.5   34年(最年少)
 キハ40-358(233) 1981.6   35年
 キハ40-359(216) 1980.10  36年
 キハ40-360(202) 1980.11  36年

 キハ40-400番台(札沼線)

 キハ40-401(159) 1980.1   36年
 キハ40-402(160) 1980.1   36年

 ※(231)などは新製当初の車番



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Author:dieseltrain


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