札幌圏の共通運用のデメリット


 今年10月、札沼線の完全電化開業に伴うダイヤ改正が実施され、札幌圏では電車の共通運用がスタートしました。

 札沼線は長年、一般気動車の単独運用が行われ、現在は固定されていませんが、札幌駅の発着ホームは、主に北側の9・10番線を使用するなど、他線区への乗り入れはほとんどありませんでした。

 電車の共通運用は、単独運用のコストを抑えるメリットがあります。仮に非電化の場合、将来、一般気動車の大量置き換えが発生する可能性が高くなる一方で、電化して共通運用を行ったほうが、一般気動車を新製するより、将来的にメリットがあるわけです。しかしながら、共通運用にもデメリットがあります。

 先日、千歳線新札幌駅構内で、特急「北斗14号」の車両不具合が発生し、千歳線上りは約3時間半、運転を見合わせました。この影響で、112本の列車が運休し、札幌圏を中心に終日ダイヤが乱れましたが、札沼線はほぼ平常どおりでした。

 千歳線の運転見合わせの影響が、函館本線にも広がったのは、多くの列車が、千歳線と函館本線の間で直通運転を行い、電車の共通運用をしているためです。

 例えば、毎時4本の快速「エアポート」は、2本が小樽直通、1本が旭川直通で、毎時3本が函館本線に乗り入れており、普通列車も含めると、毎時2本以上が琴似以遠に乗り入れていることになります。このため、千歳線で列車が止まると、函館本線も影響を受けやすい状況にあります。旭川直通は、特急形電車を使用しているため、千歳線で滞留している場合は、札幌~旭川間の特急運用にも影響が及びます。

 千歳線の非電化時代は、函館本線に直通する列車は1日数本程度で、現在の札沼線と似た状況でした。1980年10月の電化から、函館本線に乗り入れる列車が増加しました。

 札幌圏の共通運用は、利便性が向上するメリットがあるとしても、輸送障害などが発生した場合、札幌圏全体で運休や遅れの影響を受けるデメリットも抱えているのです。

 -札沼線の輸送障害で運休-

 28日早朝、札沼線石狩太美駅でポイント不転換が発生し、快速「エアポート」など3本が運休しました。札沼線の輸送トラブルで、千歳線の列車が運休するのは、以前はありえない話でした。

 札沼線の札幌方面始発は、石狩当別駅5:33発の普通列車で、この列車は札幌から新千歳空港行きの「エアポート60号」として運転されますが、ちょうどこの時間帯にポイント不転換が発生したため、この編成を使用する列車が運休しました。

 札沼線は6月に電化開業し、10月に完全電車化された際、1日4本の千歳線の直通運転がスタートし、このうち早朝の上り1本、深夜の下り1本が空港直通となっています。

 札沼線は非電化区間で、車両運用は札幌が起点の単独運用となっていましたが、完全電車化を機に、千歳線への乗り入れ開始や電車の共通運用に切り替わりました。

 札幌を起点としている部分は同じでも、歩んできた歴史や路線の性格が全く異なる函館本線、千歳線、札沼線を一体化することの難しさがあるかもしれません。




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Author:dieseltrain


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