他線区の存廃問題にも影響

 2016.04.29

 JR北海道は28日、留萌本線留萌~増毛間の廃止届を国土交通省に提出しました。

 JRは昨年8月、沿線自治体の留萌市、増毛町に対し留萌~増毛間の2016年度中の廃止を表明しました。地元は利用客が少ない留萌本線の実情を知っており、廃止はやむを得ないという見方がありました。今月上旬、地元の廃止同意が得られたため、留萌~増毛間の廃止が確実となりました。

 廃止予定日は17年4月29日となりますが、JRは年内の廃止を検討しており、今後、北海道運輸局の主催する意見聴取会で反対意見が出なければ、最終運転日は16年12月4日、廃止日は16年12月5日となります。

 <他線区の存廃問題にも影響>

 留萌~増毛間の年内廃止が確実となったことで、今後、利用客が少ない他線区の存廃問題にも影響する可能性があります。

 留萌~増毛間の14年度輸送密度は1日39人しかありませんでしたが、これは14年5月に廃止された江差線木古内~江差間の1日41人(11年度)を下回る厳しい数字で、1日13本の運転本数に対し、実質的な空気輸送となっていることが浮き彫りになりました。

 道内では7路線10区間で14年度輸送密度が1日500人未満しかなく、このうち5路線6区間で営業係数が1000以上となっており、留萌本線は輸送密度、営業係数ともにワースト上位となっています。また、利用客が少ない線区では鉄道施設の老朽化が進んでおり、留萌本線は冬季の定時運行が難しくなっているほか、日高本線は昨年1月と9月の高波被害で線区の大部分が長期間運休しています。

 江差線の一部廃止は、不採算線区であることが廃止の理由でしたが、新幹線に関係した廃止であったことも確かです。一方、留萌本線の場合は単に不採算という理由だけであり、不採算線区の見直しのハードルは、さらに下がったという見方もできます。

 江差線や留萌本線に共通するのは、JRの廃止通告に対し、地元が初めから存続をあきらめている点です。国鉄末期には多くの不採算線区で存続運動がありましたが、現在は全く逆のことが起こっています。当時は存続さえすれば何とかなるという見方や時代背景がありましたが、やはり、昨今の地方を中心とした人口減少や少子高齢化といった問題が影を落としています。

 留萌~増毛間の廃止が決まったからといって、すぐに他線区の存廃問題が浮上するということはおそらくないでしょう。しかし、今改正で行われた普通列車の減便が、近い将来、再度行われる可能性も十分に考えられます。

 JRは近年、気動車全般の設備投資にそれほど積極的ではありません。16年度は地方線区の見直しだけでなく、一部特急列車の見直しも検討されています。これは特急気動車の老朽取替の際、新製する特急気動車の車両数が少なくなるためです。

 国鉄末期の国鉄再建法ではいわゆる「行き止まり線」がターゲットの一つになりました。江差線、留萌本線も「行き止まり線」です。今後予想される見直しも、輸送密度が極端に少ない「行き止まり線」や「支線」がターゲットになる可能性があり、存廃問題が浮上する懸念が強まっています。



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Author:dieseltrain


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