札沼線の試算が明らかに

 2017.11.25

 先日、札沼線(北海道医療大学~新十津川)を維持する場合と、運転区間を短縮して維持する場合、それぞれ年間にかかる費用が明らかになりました。

 現状維持は3億6700万円の赤字、浦臼までは3億2900万円の赤字、石狩月形までは2億1500万円の赤字です。現状維持は2016年度の営業損失と同額です。このほかに安全対策費用や車両更新費用が上乗せされます。

 JR北海道は23日、この試算を札沼線沿線自治体に提示しました。沿線4町はいずれも維持が厳しいという認識があるようです。

 札沼線の16年度営業係数は2609でした。JR北海道の試算をベースに、16年度の営業収入1500万円で、区間短縮の場合の営業係数は、浦臼までなら推定2300、石狩月形までなら推定1530です。現状維持、区間短縮、いずれも営業係数が1000以上となってしまいます。

 区間短縮の場合は、営業キロが短いほど赤字が減っていますが、営業収入や輸送密度にも影響があるはずです。そうなれば、利用が少ない線区を年間数億円かけて維持する構図は変わりません。

 札沼線の営業損失は、JR北海道の線区全体の1%にも満たない金額です。線区の維持は簡単なようにも見えますが、問題は赤字の多少ではありません。線区にかかる費用を、自らの線区で賄えないことが、この問題の根底にあります。それでは、他の黒字線区から「おすそ分け」してもらうと考えます。ところが、JR北海道は全線区が赤字となっており、持ってくるお金がありません。

 やはり、営業係数2000以上というのは、維持困難と言われても仕方がない線区です。札沼線については、バス1台で足りる輸送密度しかなく、鉄道であり続ける意義が問われています。

 16年11月の維持困難線区の公表からこれまでの間、札沼線の問題は、沿線4町のみで話し合いが行われ、JR北海道は参加できませんでした。今回初めて、一堂に集まって話をしました。これは大変重要なことです。

 一つ気になるのは、JR北海道の再生推進会議の動きです。これは今月16日のNHKニュースで知ったのですが、1年以内に維持困難全線区の存廃の判断を求めるようです。再生推進会議は国の事業改善命令に基づいて設置されており、委員の一人に北海道知事が入っています。

 維持困難線区の公表から1年がたちましたが、本来、経営の抜本的な見直しを提言したのは再生推進会議であり、国から「お墨付き」をもらっています。再生推進会議の提言は国や道の意向でもあります。

 この動きは維持困難線区の協議にも影響するはずです。



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Author:dieseltrain


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