道内の一部線区で徐行運転
2018.04.26JR北海道は現在、道内の一部線区で徐行運転を行っています。対象線区は石北本線(上川~白滝)、函館本線砂原支線(銚子口~掛澗)となっています。
石北本線は先月29日、上川~白滝間において、なだれによる線路被害が発生し、今月3日まで運転を見合わせていました。4日に運転を再開しましたが、同区間で似たような箇所があることから、運転再開後も同区間の一部で徐行運転が行われています。
これに伴い、「オホーツク」「大雪」、普通列車などに10~20分程度の遅れが発生しており、各駅において列車の接続に影響が出ています。実施期間は当面の間となっており、残雪状況を確認したうえで徐行が解除されます。
また、函館本線砂原支線はこれまで、路盤が脆弱であるため、渡島沼尻~渡島砂原間で徐行運転が行われていました。
さらに今月11日、砂原支線で軌道検測車による軌道検測が行われました。24日のNHKニュースによると、軌道検測の結果、整備基準値を超過している箇所がおよそ100箇所確認されたそうです。
その結果を受けて、24日から徐行運転の区間が銚子口~掛澗間に拡大されました。これに伴い、砂原支線を走行する全列車に遅れが発生しています。
雪解けの影響や、主に上りの貨物列車が走行するため、線路状態が厳しくなっているようです。
-今後も発生するおそれ-
重要な線区の徐行運転は驚きです。これは単なる融雪期の影響と見るべきでしょうか。心配されるのは、今後も発生するおそれがあることです。
先月は石勝線夕張支線(新夕張~夕張)、釧網本線(東釧路~網走)が線路冠水による運休の影響がありました。さらに先日も宗谷本線(音威子府~稚内)が一部区間の線路冠水により、一時運転を見合わせました。
2016年12月に廃止された留萌本線(留萌~増毛)は、雪害を受けやすい線区でした。廃止される数年前から融雪期の運休が目立っていました。
積雪が多くなる年は、融雪期の影響が大きいように見えます。とりわけ「維持困難線区」は、鉄道施設の老朽化が進んでおり、抜本的な安全対策が必要となっています。このため、今後の安全投資が重くなる可能性もあります。
JR北海道は2014年度に砂原支線のPCマクラギ化を完了しており、函館方面の軌道強化を図りました。これは7年前倒しの計画でした。
やはり、自然には勝てないのでしょうか。
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