札幌圏などで発生する雪害への対策

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 先月16日、岩見沢市を中心に大雪となり、旭川行きの普通列車が上幌向駅構内で動けなくなりました。この影響で函館本線江別~岩見沢間は、8時間近く運転を見合わせました。当時、岩見沢市は午前4時に3センチ、午前5時に5センチ、午前8時に3センチの降雪がありました。

 運転見合わせの影響は後続列車にも波及し、特急列車32本と札幌圏を中心に普通列車237本、あわせて269本が運休しました。

 <ダイヤが大混乱の札幌駅>
 函館本線は運転を再開しましたが、夕方ラッシュの札幌駅では、17時台になってもダイヤの乱れは続いていました。着発列車もいったい何時の列車なのか、混乱するほどでした。

 駅の改札口やホームの電光掲示板は、まったく行き先がない状態で、目的の列車がいつ出発するのかと、旅客は一様に不安そうに電光掲示板を見つめていました。今後の運転状況を駅員に尋ねる姿も多く見られました。

 乗客はいつ出発できるのか半信半疑の中、目的地へ向かう列車の運転を告げるアナウンスに、足早にホームへ向かう姿も見かけられました。列車の着発も滞り、駅を目前にしながら停止信号で抑止する状況でした。

 網走行きの「オホーツク7号」は札幌運転所から約30分遅れで入線し、旭川方面の輸送を一手に引き受けることになりました。しかしながら、所定編成に1両増結した5両編成であったため、通勤ラッシュ顔負けの大混雑になり、デッキにいても身動きが取れないほどでした。

 自由席車へ入りきれない乗客は、グリーン車や指定席車にも入り、出発のアナウンスがあっても裁けずに、やむを得ず乗車をあきらめた人も見られました。

 釧路方面や函館方面の特急列車でも軒並み遅れが発生し、20時ごろには、19:45発釧路行きの「スーパーおおぞら13号」が、19:22発の「スーパー北斗22号」より先発し、出発順序が入れ替わる珍事も発生しました。

 <冬季の雪害に備える>
 JR北海道は、冬季の雪害対策に力を入れています。ただ、同社にとって頭が痛いのは、ポイント不転換の発生です。

 札幌圏の駅でポイント不転換が発生すると、ダイヤの乱れが発生し、特に札幌駅で発生すると深刻です。ポイント不転換は、除雪車での対応が難しく、保線作業員の人海戦術に頼るしかないそうです。機械に頼らない対応が、最も効果的というのは、なんとも皮肉な話です。

 本来、保線作業は同社の社員が行っていますが、除雪対応のパートナー社員を冬季限定で雇用しているそうです。2010年度は約1400人を採用し、決められた人員を各駅へ配置しています。

 保線作業員の増員のほか、年々、駅構内や信号場へ雪害対策の装置を導入しており、降雪がない場合でも保線作業員が日々、駅構内などのポイント除雪を実施し、雪害に備えています。

 代表的な装置に、圧縮空気をポイントへ吹きつけ、氷塊などを取り除く圧縮空気式ポイント除雪装置を2010年度現在で、札幌など16駅103ポイントに導入しています。

 他にも、ポイント直下に空間を設け、落ちた雪をヒーターで溶かすポイント融雪ピット式、可動不良を起こしやすいポイント部分の氷塊などを融雪するポイントパネルヒーターといった装置の導入も行っています。

 豪雪地帯を通る函館本線、宗谷本線、石北本線では、冬季になると除雪車が毎日出動しており、このケースは全国でも北海道だけのようです。特に函館本線の山線では、列車本数が1時間に1本程度しかなく、豪雪地帯ということもあり、除雪車が日々活躍しています。

 近年、ポイント不転換とともに冬季の発生件数が多かったのが、走行中のバラスト飛散です。この現象は、最高速度130キロ運転を行うようになった1990年代後半ごろから発生するようになりました。

 車体についた氷塊などが線路に落下、その衝撃でバラストが飛散し、対向列車の窓ガラスを直撃してひびが入ったり、駅ホーム通過時に飛散したバラストが旅客へ当たる可能性も高まっています。そのため、札幌圏を中心に通過駅の減速運転を実施し、バラスト飛散防止ネットを張るなど安全対策を行っています。




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Author:dieseltrain


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