キハ261系気動車デビュー15年

 2015.02.25

 来月11日、2000年3月ダイヤ改正から宗谷本線に投入されたキハ261系特急気動車のデビュー15年となります。

 <キハ261系の現状>

 現行のキハ261系は、宗谷本線に投入する100番台が14両、石勝線に投入する1000番台が27両となっており、今後も1000番台の増備が進められる計画となっています。

 キハ261系の投入により、札幌~稚内間の所要時分短縮や札幌~帯広間の完全高速化に貢献した一方、近年の特急気動車の相次ぐトラブルや一連の問題が発覚した以降は、特急列車の減速運転とともに、昨夏には車体傾斜装置を停止する措置がとられ、スピードアップを追求してきたキハ261系は、高速走行から安全重視の考え方となりました。

 <費用対効果の考え方に変化>

 キハ261系が開発されたのは、輸送量の少ない宗谷本線に特急気動車を投入する際、いわゆるコストパフォーマンスの優れた車両が要求されたため、キハ201系気動車をベースにした100番台が登場したのですが、これはあくまでも宗谷本線の事情に合わせた車両でありました。

 その後、07年10月のダイヤ改正から登場した1000番台は、当時、老朽化が進んでいたキハ183系特急気動車を使用した「とかち」の置き換え用として製作されました。

 考え方としては、1000番台は100番台以上に経費削減に踏み込んでいる印象で、例えば、車体は789系電車(1000番台)を、床下ぎ装は100番台をそれぞれベースにしており、しかも、車体と台車の組み立ては自社で行うノックダウン方式を採用しました。

 ところが、石勝線事故発生以降の2013年に増備した1000番台(6両)は、車体製造を兵庫県の鉄道車両メーカー、床下ぎ装を新潟県の鉄道車両メーカーがそれぞれ行い、新潟県から完成品を納入しており、この傾向は、現行のキハ261系の製作においても続いているようです。

 また、キハ285系特急気動車の開発中止により、今後の特急気動車置き換えに伴うキハ261系の大量新製が計画されており、同形式の大量発注は、車両新製の経費削減にも貢献するはずです。

 <キハ261系に求められるもの>

 キハ261系というのは、車体を傾斜させる点が振り子気動車と間違われることも往々にしてあるようですが、今後のキハ261系はある意味、そのような誤認をすることはなくなるかもしれません。

 昨年8月末から安全対策の一環として、キハ261系の車体傾斜装置を停止中ですが、最高速度120km/hの減速運転も影響し、主要都市間の所要時分は以前よりも10~20分程度遅くなりました。今後制作されるキハ261系については、車体傾斜装置を搭載しない可能性も取りざたされています。

 キハ261系は比較的急曲線の少ない線区に投入されており、曲線通過速度が振り子気動車に近い状態で通過できたのですが、車体傾斜装置を停止したことで、従来の車両と同じ通過速度に減速しなければならず、大幅な所要時分の遅れにつながりました。

 道内主要都市間の高速化は、従来の最高速度引き上げでは限界があるため、曲線通過速度の向上がポイントとなっていましたが、キハ261系の車体傾斜装置の停止は、つまり、キハ183系時代の考え方に戻ってしまったわけで、道内在来線の高速化推進は、非常に厳しくなりました。

 その中で、老朽特急気動車の置き換えや、次世代の特急気動車に代わる車両が、キハ261系の大量新製によって行われるというのは、何か、国鉄時代のキハ183系の大量新製を踏襲するものであり、いわゆる先祖返りをしているのではないでしょうか。

 キハ261系というのは、振り子気動車と従来の特急気動車との中間にあった形式ですが、将来的には、道内の特急気動車はキハ261系が最大勢力となる可能性があり、道内在来線の都市間輸送にも少なからず影響があるはずです。

 <先人の考え方は正解だった>

 今年は国鉄改革から28年となり、全国から国鉄型車両が次々と消滅しています。道内でも来月に711系電車が引退し、国鉄時代の客車を使用する寝台特急列車も運転を終了します。

 国鉄の名残が失われつつありますが、国鉄改革が正しい選択であっても、国鉄時代の正しい考え方は、将来にわたり継承していくべきではないでしょうか。

 道内では安全対策の強化の一つに、車両形式の集約が推進されていますが、国鉄時代の道内では、特急気動車はキハ80系とキハ183系、特急電車は781系、急行気動車はキハ56系、普通列車に使用する車両はキハ22形やキハ40形、そして711系が中心で、番台区分によって、バリエーションがありました。

 ところが、現行の車両は投入する線区の事情に合わせて、形式や番台区分を複雑化させたため、安全対策にも微妙な影を落としていますが、これを以前のような考え方に戻しつつあるようです。

 キハ183系や711系が成功しているのは、極寒冷地に対応した耐寒耐雪装備が貢献していますが、線区の事情や条件を問わず、道内全域に投入できる車両であったことが重要であり、投入する線区を限定していたのであれば、おそらく、ここまで活躍することはなかったはずです。

 バリアフリーの考え方と同様に、地方線区に投入できる車両は、道内全域で活躍できる可能性を秘めており、コストパフォーマンスを追求するキハ261系こそが、時代背景に対応できる「次世代の特急気動車」であり、特急気動車のスタンダードになる存在です。




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Author:dieseltrain


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