JR北海道再生推進会議の提言書を読む

 2015.06.27

 26日、昨年6月に設置したJR北海道再生推進会議の提言書が公表されました。

 近年相次いだ事故やインシデントは、安全対策を後回しにする経営体質に原因があったと指摘し、1997年に破綻した拓銀の二の舞にならないためにも、限られた時間の中で経営改革を断固進めなくてはならないと提言しました。

 -地方の反発必至-

 JRが行うべきこととして、「選択と集中」に基づいた不採算部門の見直し、列車の減速減便の継続、不採算線区の廃止を含めた見直しなどを聖域のない検討を行うことが必要とあります。

 ところが、JRは安易な路線の休廃止は進めるべきではないと書いています。これほど矛盾している提言は他にありません。結局、骨抜きの改革に終わるような懸念もあります。そして、見直しの対象となる沿線自治体からの反発は必至です。

 -身の丈以上のスピードアップ-

 提言書にある身の丈以上のスピードアップというのは、どこからが身の丈以上なのかというと、その点は踏み込んでいませんが、やはり、国や地方の補助を受けた道東方面や宗谷本線が身の丈以上ではないでしょうか。

 帯広~釧路間の最高速度20km/h引き下げや、キハ261系特急気動車の車体傾斜装置の停止というのは、身の丈以上の高速化事業を推進した末路です。そして、高速化以前の時代がいかに、正しいものであったのか。道内の都市間輸送は25年前に確立されていました。

 -気になった主な提言-

 「減速減便は安全対策として必要な施策」=在来線の減速減便の継続

 「安全を最優先に投資・修繕を実施するため、イベント列車の運転などから当面は手を引かざるを得ない」=SL列車や観光列車の運転縮小

 「鉄道施設や車両の老朽取替は、ライフサイクルの考え方に基づき計画」=従来よりも老朽取替のタイミングが早まる可能性

 「安全投資は札幌圏や都市間輸送を優先せざるを得ない」=地方ローカル線の切り捨て、運転本数の大幅削減、場合によっては鉄路廃止の危機

 「車両の形式を標準化するなど無駄を省き、効率化すべき」=キハ261系特急気動車や新型一般気動車、札幌圏の通勤電車に集約

 -白紙ダイヤ改正も-

 今後、地方ローカル線を中心とした見直しや廃止の議論が出てくると思われますが、「残された時間はない」「聖域を設けるな」としていることを盾に、JRが強気になってくる可能性もあります。

 経営改革がどの程度の規模となるのか分かりませんが、来春の新幹線開業に合わせたJR発足以来最大規模となる白紙ダイヤ改正が、現実味を帯びてきました。




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Author:dieseltrain


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