日高本線、重大な局面を迎える

 2015.09.23

 先週、日高本線の波浪被害が公表されましたが、地方線区の安全対策の遅れがボディーブローのように効いています。

 JR北海道は今年1月に高波被害を受けた厚賀~大狩部間の概算工事費を約26億円と試算していますが、新たに豊郷~清畠間の復旧費用も必要となるため、日高本線全体の復旧費用が膨らむことになります。JRは線路復旧の準備工事費のみ負担し、本体工事費は負担しない方針です。

 なぜJRが仮復旧による運転再開を拒否しているのか、今回の事象が全てを物語っています。

 厚賀~大狩部間の必要工期は約30か月(4年)となっていますが、豊郷~清畠間の工期を追加した場合、日高本線の運転再開はいつになるか分かりません。地元では路線廃止の懸念もあるようですが、3者協議会の行方次第では、路線廃止も現実味を帯びてきます。

 道内の地方線区は「選択と集中」の経営方針によって八方塞がりの状態で、JR単独の路線維持が非常に難しくなってきました。JRは国から、安全投資費用の一部を借用するので、必ず返済しなければなりません。残念ながら、輸送密度が低い線区の更新費用を負担する余裕はなく、そのために「選択と集中」を推進する必要があります。

 JRが今日まで、地方線区で必要な安全対策を怠っていたことに問題があり、一方的な地方線区の切り捨ては許されません。しかし、それを非難しても、現実と向き合うことにはなりません。例えば、先月上旬に線路被害を受けた石北本線では、全力を挙げて復旧工事が実施され、お盆の多客期に間に合いました。

 石北本線は現在、駅の廃止や無人化の問題に直面しています。それでも線路復旧を急いだのは、「特急列車や貨物列車が走行する線区」という理由に他なりません。もし、石北本線に特急や貨物がなければ、復旧工事の長期化は避けられなかったはずです。

 日高本線は1937年に苫小牧~様似間が全通し、今年8月で開業から78年となりましたが、国鉄時代は急行列車も設定された「幹線」は、重大な局面を迎えています。




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