札沼線減便の背景

 2015.10.03

 先月30日、札沼線浦臼~新十津川間の運転本数見直しの報道がありました。利用客が少なく今後の増加も見込めないというのが理由ですが、背景にあるのは、札沼線で使用するキハ40形気動車の老朽化です。

 札沼線は2012年6月に桑園~北海道医療大学間が電化開業し、同年10月に完全電車化を達成しました。一方、医療大学以北では現在もキハ40-401,402が主力気動車として活躍しています。この主力気動車2両が来年3月、製造から36年の車齢となります。

 <100両以上が35年前後の経年車>

 JR北海道は今年度中に老朽車両10両を廃車する計画ですが、これとは別に、江差線の経営を引き継ぐ道南いさりび鉄道にキハ40形9両を譲渡しなければなりません。16年度には一気に19両がJRから消滅することになります。しかも、いさりび鉄道に譲渡する車両は、必要な検査や修繕が実施された車両となるため、比較的車齢の若い車両が譲渡される可能性もあります。

 こうなると、100両以上が35年前後の経年車で占められることから、安全運行にも支障が出るおそれもあります。JRが公表したデータでは、キハ40形の車両故障は年々増加傾向にあります。キハ40形の老朽取替は19年度以降となっており、現行の運転本数を維持することは困難を極めます。キハ40形の老朽化問題は、今後、更なる減便もありうる深刻な問題です。

 <石北貨物も老朽化問題を抱えていた>

 札沼線の減便で思いつくことは、09年ごろから表面化した石北本線の貨物列車存廃問題です。当時、DD51形ディーゼル機関車の老朽化問題を抱えていたJR貨物は、1日3往復あった運転本数を10年度から2往復、11年度はさらに1往復まで減便し、12年度廃止を検討していました。

 その後、DF200形ディーゼル機関車を投入し、沿線自治体から支援を受けることで廃止は撤回されましたが、トラック輸送への切り替えが消えたわけではありません。

 <減便は時間の問題>

 札沼線の減便は時間の問題でした。輸送密度は道内ワースト1を記録し、直近では、12年10月のダイヤ改正で早朝の浦臼発石狩当別行きを石狩月形始発に変更しました。浦臼以北が1日1往復となれば、もはや走っている意味がありません。このような環境にある石北本線上白滝駅は、来年3月の廃止が有力です。

 今回明らかになった札沼線の減便計画は、将来の線区廃止の布石と見てもいいはずです。浦臼以北の減便を足がかりに、浦臼以北の廃止、さらに石狩月形~浦臼間の運転本数見直し、そして最終的には医療大学以北の廃止です。




広告


広告

お知らせ

いつもごらんいただきまして、ありがとうございます。

このほど、60万アクセスを達成しました。

今後も当ブログをよろしくお願いします。

広告

プロフィール

Author:dieseltrain


-

-