2015北海道の鉄道この1年

 2015.12.30

 27日、函館本線嵐山トンネル内の架線から出火する事故が発生し、深川~旭川間は27日の始発から29日午前中まで運転を見合わせました。

 年末の混雑は今日がピークを迎えますが、年末輸送は26日頃からスタートしており、札幌圏に次ぐ輸送量を持つ札幌~旭川間の不通は、JR北海道に打撃となりました。

 事故原因は調査中ですが、このような出火事故は非常に珍しいようです。また、1998年にも函館本線張碓トンネルで同様の事故が発生していたようです。

 今年を思い返すと、鉄道施設の老朽化が目立った1年でした。

 1月13日 日高本線厚賀~大狩部間 「高波による路盤流出」
 2月15日 千歳線平和~新札幌間 「鉄道橋りょうから錆片が落下」
 2月16日 千歳線島松駅 「構内跨線橋の屋根部材の一部が落下」
 2月28日 函館本線琴似~桑園間 「高架橋にある排水管の一部が落下」
 3月18日 石北本線網走駅構内 「ホーム屋根に使用している部材の一部が落下」

 4月 3日 函館本線滝川駅 「待合室の天井の一部が落下」
 4月 9日 函館本線稲積公園駅 「高架駅に使用している部材の一部が落下」
 4月22日 函館本線銭函駅 「ホームの雨樋ホース締結用ボルトが脱落」
 4月24日 函館本線砂川駅 「駅構内のアンダーパスからフェンス等の一部が落下」
 5月 7日 函館本線稲積公園駅 「高架橋のコンクリート片が剥落」
 6月10日 札沼線新琴似~太平間 「高架橋のコンクリート片が剥落」

 7月21日 函館本線琴似~桑園間 「高架橋からモルタル片が剥落」
 8月 1日 石北本線下白滝~丸瀬布間 「降雨による路盤流出」
 9月14日 日高本線豊郷~清畠間、厚賀~大狩部間(別の地点) 「台風17号による路盤流出」

 12月23日 千歳線新札幌駅 「駅構内の高架橋からモルタル片が剥落」
 12月27日 函館本線伊納~近文間 「嵐山トンネル内の架線から出火」

 これらはJR北海道がプレスリリースで公表している事象であり、実際には公表されない軽微な事象があるかもしれません。それでもこれだけの件数が毎月のように発生していました。

 特に日高本線は1月の高波被害で現在も線区の約80%が不通となっており、完全復旧のめどが立っていません。

 8月の石北本線、先日の函館本線は、多客期の直前に不通となり、影響拡大が懸念されていました。どちらも迅速な復旧作業により、多客期輸送に合わせて復旧していますが、そのたびにJRに対し、厳しい目が向けられています。

 <老朽化と向き合う>

 JRが公表した鉄道施設の事象の多くは老朽化が原因です。それは輸送力を重視する札幌圏でも懸念材料です。たとえ車両を新製し、軌道を強化しても、鉄道施設全体の老朽化対策はそれほど進んでいないようです。

 来春のダイヤ改正では道内の気動車列車79本が見直されます。これは主力のキハ40形気動車の大量廃車が影響しています。鉄道施設だけでなく、車両の老朽化も無視できないところまできました。

 最近、地方切り捨てという言葉を見聞きするようになりました。確かにそのとおりですが、道内全体で鉄道施設の老朽化問題が露呈してきました。これからは老朽化と向き合っていく時代なのかもしれません。

 <キハ261系投入線区拡大へ>

 来春のダイヤ改正からキハ261系1000番台の函館方面投入が決まりました。2007年10月のデビュー以来、一貫して石勝線に投入されてきた1000番台は、デビューから8年半を経て投入する線区を拡大します。

 キハ261系は本来、投入する線区を限定しており、特急気動車の老朽化対策はキハ285系気動車が担うはずでした。ところが、キハ285系の開発が凍結されたため、後継車両としてキハ261系に白羽の矢が立ちました。

 JRはキハ183系の老朽化対策を優先していますが、来年でキハ281系気動車は23年、キハ283系気動車は20年をそれぞれ迎えます。特急気動車の老朽化は待ったなしです。キハ261系の増備は率先して行うべきではないでしょうか。

 国鉄時代は車両を短期間で大量新製する傾向にありました。ところが、今日の状況としては、過去の大量新製が裏目になっています。普通列車大減便は大量廃車、老朽取替に対応できなかった一例です。

 キハ261系は10月にエンジントラブルが発生し、主力特急気動車への不安が露呈しました。来春以降、新幹線連絡を担うことになるキハ261系は、今以上にメンテナンスの強化が求められています。

 <市電ループ化の意義>

 12月20日、札幌駅前通に札幌市の路面電車(都心線)が復活し、42年ぶりにループ化されました。

 かつて、札幌市内には現行路線のほか、桑園、円山、新琴似、苗穂、豊平方面に路線が広がっていましたが、地下鉄の開業や定山渓鉄道の廃止、モータリゼーションの推進で路線は縮小し、以前の西4丁目~すすきの間を往復するようになり、駅前通の線路も撤去されました。

 路面電車は道路を使用するため、モータリゼーションの「敵」として、嫌われ続けてきました。札幌市電もループ化どころか、廃止が取りざたされるほどでした。

 しかし、環境問題などの取り組みで近年、路面電車が見直されるようになり、富山県では路面電車の先進地域となっています。

 時間帯問わず交通量が多く、街の中心である駅前通に路線を復活させたことは、開業してからも信じられません。現在、毎日のように駅前通を市電が走っていますが、本当に夢でも見ているようです。

 高齢化社会が進む中、高齢者による交通事故が多発しています。市電の路線網を再拡大し、高齢者や障がいのある方が安心して移動できる街づくりも必要ではないでしょうか。

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 すすきの停留場を出発し、都心線に向かう路面電車
 2015.12.22

 <みなさまよいお年を>

 2015年の北海道の鉄道は、地方線区の厳しい現状を浮き彫りとしました。一方、市電ループ化は公共交通が主役になれるきっかけを作りました。

 来年はさらに安全で利便性の高い北海道の鉄道であってほしいものです。




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