貨物列車の存廃問題が再燃する懸念

 2016.04.14

 JR北海道は、キハ183系気動車の老朽化、劣化の進行に伴い、都市間特急列車の見直しの検討を始めました。JRの財務状況や特急列車の利用客減少などが背景にあります。JRは具体的な列車名、線区名を公表していませんが、13日の地元紙は特急「オホーツク」「サロベツ」の見直しを伝えました。

 見直しの内容は運転区間の短縮や「オホーツク」の減便を軸に検討されているようです。運転区間の短縮が行われた場合、石北本線から特急列車が消滅する可能性がある一方、宗谷本線は特急「スーパー宗谷」2往復が存続するようです。

 JRは今改正で普通列車79本を見直しましたが、その際、宗谷本線名寄~稚内間の一部区間で沿線住民を対象とした「10円特急券」の発行や、石北本線では白滝シリーズ廃止に伴い「オホーツク」の白滝停車を約束しました。

 -貨物列車の存廃問題が再燃する懸念-

 JRは具体的な検討はこれからと説明していますが、地元紙は「オホーツク」「サロベツ」と報道しています。宗谷本線は仮に「サロベツ」が見直しとなっても、「スーパー宗谷」の存続が有力であるため、減便の影響はそれほど大きくありませんが、「オホーツク」が見直しとなれば話は別です。

 「オホーツク」の運転区間を札幌~旭川間に短縮した場合、道東方面の中核都市である北見から特急列車が消えてしまいます。北見は2006年4月にふるさと銀河線が廃止されており、今改正では北見市近郊の普通列車4本が見直しされました。減便となった場合でも、利便性低下は避けられません。

 石北本線では09年ごろから農産物を運ぶ貨物列車の存廃問題が浮上し、DD51形ディーゼル機関車などの老朽化を理由に10年度、11年度と1往復ずつ減便されました。そして12年春の廃止が確実となっていましたが、地元の支援を受けることで14年度以降の運転が決定したいきさつがあります。

 石北本線は輸送密度が1日1000人程度しかありませんが、昨夏、沿線(下白滝~丸瀬布)で線路被害が発生した際は、お盆の多客期に間に合わせるため、迅速な復旧作業が行われました。これは石北本線がオホーツク方面の幹線であり、特急列車や貨物列車が走行する重要線区であったためです。

 ところが「オホーツク」の運転区間短縮や減便が事実であれば、石北本線の利用客減少に拍車がかかるだけでなく、貨物列車にも影響が及ぶおそれもあります。特急が走らなくなれば、長大線区にもかかわらず、基本的に普通列車しか走らないという状況になり、石北本線の維持管理は一層の合理化が必要となります。例えば交換駅の棒線化や駅の無人化、廃止があり、普通列車の運転本数もさらに見直す可能性も出てきます。

 このような状況に陥った場合、昨夏のような線路被害の際の迅速な復旧作業というのは難しくなり、日高本線や留萌本線のように長期間の計画運休も避けられないという見方もできます。

 また、石北本線の貨物列車はいわゆる「片荷」の状況が続いている一方、峠越え用として機関車を2両使用するなど採算性が低い線区となっています。「オホーツク」の見直しを契機に、経費の問題を抱える貨物列車の存廃問題が再燃する懸念もあります。



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Author:dieseltrain


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