特定地方交通線の再来

 2016.05.05

 JR北海道が札沼線(非電化区間)の協議会を2016年度中に設置するようです。この協議会は札沼線の活性化策を話し合うようですが、効果に乏しい場合は存廃問題が浮上する懸念もあります。

 JRは一連の問題を受けて安全対策に年間、数百億円規模の経費を回しており、近年、急速に経営が悪化しています。この状態が続いた場合、数年後には資金ショートの可能性が指摘されています。そのため、経営の効率化が求められており、その一つに「選択と集中」があります。

 JRは今改正で計79本の普通列車を見直しましたが、今後も地方線区の見直しを継続するほか、輸送量の低い線区の特急列車を見直す考えがあります。

 線区の活性化を話し合う協議会は、石勝線夕張支線の沿線自治体である夕張市が設置しており、これまでにJRと話し合いが複数回行われてきました。地元は夕張支線の廃止を懸念している一方、JRは夕張支線の廃止には言及せず、数十億円規模の安全対策費用が必要で、安全対策が進まなければ、列車を走らせることが難しくなるという見方を示しています。

 JR単独の安全対策は難しいため、地元の財政支援などが必要となっていますが、夕張市も財政再建中であり、支援金を用意できる状況にありません。

 協議会は道内の各線区に拡大する見込みで、JRは16年度から地方交通線対応の組織を設置し、釧路支社管内と旭川支社管内では見直しを強化する動きもあります。

 JR発足後、原則非公開となっていた輸送密度や営業係数が近年公表されるようになり、会社の透明性が高まりました。一方で輸送密度や営業係数が見直しの基準や根拠となり、今後は閑散線区の見直しを加速させる懸念もあります。また、JRは国鉄再建法の廃止基準を例に挙げており、「選択と集中」は特定地方交通線の再来という見方もできます。

 道内の地方線区は厳しい状況にあり、地元が提案する活性化策では利用客の増加につながるか不透明です。協議会の設置は将来の廃止、バス転換につながる可能性があるため、地域の足を維持するためにも、上下分離方式の導入や第三セクター鉄道への転換などを検討する必要がありそうです。



広告


広告

広告

プロフィール

Author:dieseltrain


-

-