夕張支線の廃止を表明

 2016.08.20

 JR北海道は17日、石勝線夕張支線(新夕張~夕張間)の廃止を表明しました。夕張支線は2015年度の輸送密度が1日118人しかなく、道内でワースト3となっているほか、14年度は約1億8000万円の赤字となっていました。

 今月8日、夕張市長がJR北海道本社を訪れ、夕張支線の廃線を要請し、3点の提案を行いました。夕張市の要請に対し、JR北海道はすぐに検討し、早期に判断をすると夕張市側に伝えました。

 夕張市、JR北海道双方の考えが一致しており、夕張支線の廃止時期は、早ければ19年3月のダイヤ改正となる可能性があります。

 <二つ返事>

 JR北海道は地方の赤字ローカル線を抜本的に見直すため、今秋までに自社で「維持できる線区」と「維持が困難な線区」を公表し、今秋以降、線区ごとに協議会を設置する考えです。

 夕張市は「攻めの廃線」をコンセプトに、JR北海道の公表前にもかかわらず、他線区に先駆けて廃線を受け入れました。これは、夕張支線が「維持が困難な線区」に含まれる可能性が高いためです。

 夕張支線は、支出が収入を大きく上回る典型的な赤字ローカル線で、鉄道施設は100年近い経年となっています。また、今年3月のダイヤ改正で夕張支線の普通列車が1日10本となり、改正前から8本削減されました。主力のキハ40形気動車の老朽化や、輸送密度が極端に低いなど、夕張支線を取り巻く環境は年々、厳しさを増しています。

 JR北海道は「攻めの廃線」を二つ返事で承諾し、このたび、夕張市側に夕張支線の廃止を申し入れました。

 <危機的状況>

 夕張支線がこのたび廃止対象となりましたが、輸送密度が道内ワースト2の札沼線医療大学~新十津川間の沿線自治体も、さすがに気が気でないはずです。

 道内ワースト1の留萌本線留萌~増毛間は、12月5日の廃止が決まっており、ワースト3の夕張支線も廃止の道を進みます。にもかかわらず、ワースト2の札沼線が維持されるというのは、この状況を考えると厳しいのではないでしょうか。

 札沼線は今改正から浦臼~新十津川間が1日1往復となり、全国で一番早い終列車として注目を集めていますが、鉄道の役割を終えているという見方もあります。札沼線は今、危機的状況にあるといっても間違いありません。

 札沼線だけでなく、今改正の見直しから除外されていた留萌本線も厳しい状況に置かれています。留萌本線はキハ54形気動車の運用しかありませんが、輸送密度1日500人未満の線区に含まれており、留萌~増毛間の廃止とともに、そのあおりを受けるという懸念もあります。

 夕張支線は夕張市内で完結するため、協議がスムーズに行くことも考えられます。しかしながら、他線区は複数の自治体にまたがっており、抜本的な見直しの合意には時間を要する可能性があります。今回のように「はい、わかりました」というわけにはならないはずです。

 「攻めの廃線」が他の沿線自治体にも波及する可能性は低いと思われますが、「維持が困難な線区」に指定された線区は、現状維持の望みを捨て去り、いかにダメージを軽減するか、この一点にかかっているのではないでしょうか。



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Author:dieseltrain


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