お盆期間の主要4線区、青函一人勝ち

 2016.08.22

 JR北海道は19日、お盆期間の輸送実績を公表しました。主要4線区の輸送実績は前年比10%増の30万4700人で、都市間特急列車の利用が減少傾向にある中、鉄道回帰と思われる結果です。

 しかしながら、線区別で見るとそうでもありません。北海道新幹線が在来線時代から55%増となった一方、在来線の主要3線区(函館、旭川、釧路)は、軒並み前年比を下回り、新幹線の開業以来続く「青函一人勝ち」の状況があらためて浮き彫りになりました。

 お盆期間終盤には台風7号が道内を直撃し、列車の運休が相次いだことも影響しましたが、新幹線で大きく増えた利用客はどこへ消えたのでしょうか。北海道新幹線の利用客は前年比で3万7100人も増加しました。これは、期間中の釧路方面を上回る数字です。増加したうちの10%でも釧路方面の利用につながっていれば、前年比9%減の結果は変わっていたかもしれません。

 また、旭川方面も前年比4%減と新幹線の効果に乏しく、新幹線連絡の函館方面ですら2%減となりました。一方、新千歳空港駅の乗降人員は前年比5%増と好調で、直近5年でも全て前年比を上回る状況です。さらに道央、札樽、道東の各高速道路も全ての区間で前年比を上回り、今春阿寒開通があった道東道は本別付近で45%増を記録するなど、モータリゼーションの進展も悩みの種です。

 <青函トンネルブーム>

 青函連絡船の廃止から青函トンネル開業を含めた1987~89年ごろに青函トンネルブームが巻き起こりました。

 調べたところ、1988年度の津軽海峡線及び青函連絡船の輸送実績は328.5万人を記録し、当時のピークは夏季・お盆期間の1988年8月となっていました。しかしながら、青函ブームは長く続かず、1989年度以降は徐々に輸送量が減少し、近年は150万人前後で推移しています。

 当時、「世界最長の海底トンネル」というキャッチフレーズ、そして1988年7~9月に青函博覧会が開催されました。北海道新幹線も「北海道初の新幹線」というキャッチフレーズがあり、さらに7~9月に青函DCが開催されています。新幹線の開業時期やPR企画の期間は、まさに当時を再現するようです。

 当時と違っているのは、青函トンネルが在来線から新幹線に変わったことです。また、仙台~函館間の所要時分は新幹線利用と航空機利用の分岐点となる4時間を切っています。一方で、新幹線開業後も首都圏~札幌間の所要時分は航空機が圧倒しており、新千歳空港駅の乗降人員は減るどころか、逆に増える傾向にあります。

 大型連休期間の北海道新幹線は、前年比93%増を記録していましたが、お盆期間は55%増と開業当初に比べて、鈍化してきたような感じがあります。それでも1日5000人程度の利用を想定している線区で、その倍近い利用があったのですから、新幹線の開業効果はまだ衰えていません。

 北海道新幹線は開業以来、週末や多客期を中心に好調ですが、平日になると需要がそれほどないとされています。この点を少しでも改善できれば、「一過性」の懸念を払拭できるかもしれませんが、いずれ青函トンネルブームの二の舞になる懸念もあります。



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Author:dieseltrain


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