日高本線の復旧断念

 2016.12.25

 JR北海道がこのたび、日高本線の復旧を断念し、鵡川~様似間の運転再開が絶望的となりました。日高本線の復旧を断念した理由は、高額の復旧費用や沿線利用客の減少、並行する高規格道路の延伸などが背景にあります。

 日高本線の沿線自治体は、JR北海道の姿勢をよく思っていません。JR北海道が復旧断念を伝えたことで、互いの溝が深まっており、沿線自治体は国や道の姿勢についても疑問を投げかけています。

 -日高本線の見直し-

 日高本線の見直しは、実は最近のことではありません。まず、根本的に国鉄時代から不採算と考えられており、国鉄再建法で地方交通線に指定された上、国鉄末期には貨物輸送や急行「えりも」が相次いで廃止されました。日高本線の経費削減は、国鉄時代から率先して行われていたのです。

 JR北海道承継後も、道内初のワンマン化や軽快一般気動車を投入するなどの経費削減が行われており、基本的に経費をかけられない線区です。その線区を約100億円投じて復旧させることは、維持と廃止の意見を二分する大きな課題です。

 JR北海道の見直し対象となった沿線自治体からは、国や道の関与を求める声は少なくありません。しかしながら、国や道が関与しても、どれほどのことができるでしょうか。沿線自治体が国や道を盾にして、安全なところからJR北海道を批判しても、JR北海道は見直しを進めるかもしれません。

 その間にも、鉄道施設や車両は老朽・劣化し、線区は縮小の一途をたどるだけです。

 -攻めの廃線-

 今年8月、夕張市は「座して廃線を待つのではなく、攻めの廃線」として、石勝線夕張支線の廃止に同意しました。JR北海道は早速、夕張市に社員を出向させて、連携を密にしています。夕張支線は11月に公表された「維持困難線区」に指定されており、バス転換が妥当と判断されています。

 夕張市は公表前に廃止に同意し、その見返りとして、廃止後のJR北海道からの支援を取り付けました。この点はまさに「攻めの廃線」でした。

 この対応に他の沿線自治体からは、夕張支線が夕張市内で完結しており、問題が大きくない。一方で他の線区は複数の自治体にまたがっているため、話し合いが難しいという意見があります。

 この意見はごもっともです。しかしながら、これでは線区の維持に取り組んでいるようには見えません。夕張市が考えるように「座して廃線を待つ」だけです。

 JR北海道のペースに乗りたくないというのは理解できますが、沿線自治体が話し合いすら行わないというのはいかがなものでしょうか。しかも、その点で足並みをそろえる傾向にあるのは、互いの不信感が増大するだけで、問題の解決は遠のくばかりです。

 日高本線の復旧断念は、JR北海道と沿線自治体の意見が平行線をたどった結果であり、他の線区も同様の結果を招くおそれがあるのです。



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Author:dieseltrain


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