特急気動車のトレードオフ

 2016.12.30

 来年3月4日のダイヤ改正で、函館方面の「北斗19・6号」がキハ183系気動車からキハ261系気動車に置き換わり、「スーパー北斗19・6号」となります。改正後の「北斗系統」のJR型車両は、現行の約67%から75%となり、国鉄型車両はキハ183系550番台(NN183系)のみとなります。

 現行の「北斗19・6号」はキハ183系500番台(N183系)の編成となっており、今年3月のダイヤ改正では基本編成が5両から6両に増強されました。これに合わせて、苗穂運転所のキハ183系の一部が函館運輸所に転属しましたが、その中には、最高速度を問わず連結できるキハ183-4550番台、かつて「サロベツ」で活躍したキハ183-1504、N183系唯一の「とかち色」中間車キハ182-512が含まれていました。

 -トレードオフ-

 苗穂から函館に転属した車両は、「サロベツ」「オホーツク」に必要となる車両でした。このため、今年3月改正後、「サロベツ」は3号車がキハ183-200番台に車両変更となったほか、キハ183系の老朽廃車が進められているため、2列車ともに増結もままらない状況です。

 さらに来春の改正では、稚内方面及び網走方面の一部特急列車で見直しが行われることになり、特急走行線区の明暗が分かれることになりました。

 これは特急気動車のトレードオフとなるわけですが、JR北海道の経営方針となる「選択と集中」もトレードオフであり、JR北海道が「均一」「一律」といったサービスを維持できない状況を表しています。

 -やりきれなさ-

 昨日、札幌駅で久しぶりにN183系「北斗」(8両編成)を見かけたのですが、8号車にキハ183-1504、7号車にキハ182-512が連結されており、いずれも元気そうで何よりでした。

 かつて「サロベツ」など札幌口で活躍した車両が新任地でも活躍し、個人的には安心したのですが、同時にどこかやりきれなさもありました。

 例えば車両の配置表記が2両ともに「函ハコ」ではなく「札ナホ」の状態で、キハ183-1504はシートが「サロベツ」時代の青色を維持していました。2両が苗穂配置だった名残がありました。

 一方で1504はタイフォンの横、512は連結面の下部に函館配置の特徴である警戒色のプレートが取り付けられており、これは函館配置になった証左でもありました。

 函館方面の輸送力強化は当然です。しかしながら、先ほども書きましたが、トレードオフによって稚内方面や網走方面の輸送力が削られている現実です。気動車のファンとしてはやはり、地方線区にも目を向けていただきたい思いはあります。

 2016年度で車齢30年となったN183系は、来春以降にどうなるか分かりませんが、キハ183系0番台が17年度末までに全廃されるため、当面は「オホーツク」や波動輸送の運用で残る可能性もあります。

 -国鉄改革から30年-

 2017年4月1日で国鉄改革から30年となります。JR本州3社はすでに完全民営化を達成し、今年10月には「三島会社」の一角であったJR九州が完全民営化を達成しました。一方、JR北海道はそれらと逆行するように厳しい経営が続いています。

 そのような状況の中で11月18日、道内の維持困難線区が公表されました。JR北海道は今年3月改正で、歴史的な普通列車大減便を実施しましたが、維持困難線区の公表は、赤字線区の見直しに拍車をかけることになりそうです。

 国鉄改革から30年というのは、単なる節目の1年ではありません。いわゆるJR型車両は、発足当初に投入した車両であれば、車齢25年以上となりますので、国鉄型車両どころか、JR型車両にも老朽取替の時期に近づいています。

 道内ではこれまでの間、国鉄型車両の老朽取替が中心となってきましたが、これからはJR型車両をJR型車両に置き換える時代がきます。

 2017年は北海道の鉄道にとって、とりわけ地方線区で厳しい1年になると思いますが、国鉄改革から30年を迎えるに当たって、「もはや国鉄ではない」という考えが必要なのかもしれません。

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 キハ183-1504
 2016.12.29 札幌駅

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 キハ182-512
 同上



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