北斗系統の停車拡大

 2017.09.11

 7日の道新朝刊1面は、「白老駅 特急停車増へ アイヌ象徴空間開設に対応」と報道しました。

 2020年4月、白老町ポロト湖畔にアイヌ文化を伝える国立の「民族共生象徴空間」がオープンすることになりました。これにあわせて、「スーパー北斗」「北斗」が白老に停車拡大し、長大編成に対応したホームの改良工事などが行われます。

 国は来場者年間100万人の目標を設定していますが、道新の解説によると、現行のアイヌ民族博物館の来場者は、ピーク時の4分の1となっており、ハードルが高いようです。

 白老は国鉄時代を含めて、「北斗系統」の停車がありません。さらに急行「すずらん」も季節列車を除いて通過していました。急行「ちとせ」は停車していたので、歴史的に見ても、函館方面よりも札幌方面のアクセスを重視する傾向にあります。

 「北斗系統」の白老停車拡大は、利便性向上が図られる一方、所要時分の増加や運転区間が重複する「すずらん」の利用低下などが心配されます。特に「すずらん」は急行時代の名残で停車駅が多く、利用客が速達タイプとなる「北斗系統」を優先するようです。

 16年3月ダイヤ改正でお得なきっぷの抜本的な見直しが行われました。室蘭方面はSきっぷの設定がなくなりましたが、列車限定の「すずらんオプション特急券」を設定し、Sきっぷ時代のサービスを維持しました。

 室蘭方面で「北斗系統」に乗車する場合は、改正前から割高となったため、16年3月改正は実質的に室蘭方面の「北斗系統」の利用を切り離した形となりました。

 しかしながら、「すずらん」の利用促進や「北斗系統」の分散化を図っても、「北斗系統」の利便性向上することによって、再度、「北斗系統」に利用客が集中するおそれもあります。

 30年度には新幹線の札幌延伸開業が予定されています。函館方面の特急列車はおそらく札幌から長万部までの運転になるでしょう。そうなれば、長大編成の輸送力はますます不要になるはずです。

 鉄道に対する期待は大きいですが、過大評価という見方もできます。白老は新千歳空港から近いので、観光バスやレンタカーの利用も考えられます。鉄道の場合は南千歳で必ず乗り換えなければならず、特急列車の接続にあわせなければなりません。

 新幹線開業後も航空機利用が圧倒しており、新千歳空港駅の乗降客は増加の一途をたどっています。「北斗系統」の停車拡大に伴う設備投資は、「選択と集中」の観点に見合うでしょうか。



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Author:dieseltrain


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