完全電化開業5周年

 2017.10.03

 今月27日、札沼線の完全電化開業5周年となります。2012年10月27日のダイヤ改正で、桑園~北海道医療大学間の全列車が電車化され、かつて、気動車王国だった線区は、一夜にして、気動車が全く走らない線区となりました。

 札沼線の電化工事は09年度から行われ、12年3月に電化設備が完成しました。12年6月1日に第1次電化開業のダイヤ改正が行われ、約7割の気動車が電車に取り替えられました。

 この改正で、札幌15時00分発の浦臼行きが石狩当別を境に系統分離されたほか、唯一残った新十津川から石狩当別で併結し、札幌まで走る午前中の運用も、完全電化開業によって、石狩当別を境に系統分離されました。

 札沼線の気動車運用は石狩当別以北の運用に限定され、苗穂運転所から石狩当別の間は単行で回送されています。電化前は浦臼行きで堂々の5両編成などがありましたが、今や申し訳なさそうに電化区間を走っています。

 気動車時代の名残となった単行の回送ですが、今後、長く続かないかもしれません。JR北海道は16年11月、道内の13線区を維持困難線区に指定し、このうち、札沼線(医療大学~新十津川)など3線区を廃止対象としました。

 医療大学以北が廃止された場合、車両の送り込みがなくなるので、札沼線は名実ともに電車しか走らない線区となる可能性があります。

 札沼線のように輸送密度が極端に異なる線区は他にありません。医療大学以北の16年度輸送密度は、電化区間の275分の1となる1日64人しかありませんでした。医療大学以北の15年度営業係数は2213で、国鉄時代であれば、第1次特定地方交通線に指定されるような線区です。

 医療大学以北は輸送密度ワースト上位の「常連」で、16年3月26日ダイヤ改正では、石狩当別~新十津川間の普通列車5本が見直し(減便)となりました。浦臼~新十津川間は朝の1往復で運行が終わるため、もはや鉄道の役割を終えている状況です。

 主力のキハ40形気動車(401,402)についても、今年1月に車齢37年となりました。1996年3月にディーゼルエンジンの更新工事を受けた際に現行の車番となりましたが、その更新から21年がたっており、老朽化が著しくなっています。

 第1次電化開業から5年がたち、桑園~医療大学間を走る列車は快適になり、利用客が今も伸びていますが、非電化で残った線区は、5年たってどうなったでしょうか。利用客の減少が続いており、列車の運転本数が縮小の一途をたどっています。そして、ついに廃止の一歩手前まで近づいています。

 札沼線の電化は、維持できる線区と、維持できない線区を「線引き」するきっかけになってしまったのです。



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Author:dieseltrain


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