新幹線の最高速度引き上げ

 2017.12.12

 2018年度、北海道新幹線の共用区間で最高速度160km/hの走行試験が行われることになりました。現行の最高速度は貨物列車のすれ違いを考慮した140km/hとなっており、「はやぶさ」は全列車、所要時分4時間台の運転。最速でも4時間02分です。

 当初、開業にあわせて4時間を切る列車が検討されていましたが、安全最優先とするため、開業から全列車4時間台となったいきさつがあります。最高速度引き上げが実現した場合、3分程度の短縮が期待できるため、将来の最速は3時間59分となる見込みです。

 -安全の問題-

 整備新幹線は最高速度260km/hとなっているので、共用区間では新幹線の特性を失っています。これを是正することは必要ですが、問題は「在来線」とのすれ違いです。

 安全を考慮して減速しているにもかかわらず、現状維持で速度を引き上げることは、安全の問題がないのでしょうか。速度だけでなく、軌道も異なる列車同士がすれ違うことで、どの程度のリスクがあるのか。わからない点もあります。わずか20km/hの違いでも、高速化するほどリスクが高くなっていきます。

 東京~大宮間ではリスクを減らすため、開業から今日まで最高速度を110km/hに減速しています。リスクを未然に防ぐためにも、共用区間の減速運転は賢明な判断です。

 北海道新幹線が3時間台に固執するのは、いわゆる「4時間の壁」を意識しているからです。起点から終点までの所要時分が4時間を超える場合は航空機、4時間を切る場合は新幹線を利用する傾向があるようです。

 全列車が3時間台となれば画期的ですが、1日20本のうち4時間切りが数本にとどまれば、短縮効果は限られています。

 -価格で勝負-

 北海道新幹線は開業2年目で早くも、利用客が前年を下回る状況となっているようです。速度引き上げはそれを挽回するための対策といえますが、利用低迷の原因を共用区間の減速に転嫁するのはいただけません。

 例えば北海道新幹線の料金は他線に比べると割高であり、遅い上に高いとなれば、ビジネスマンが敬遠するのは当然です。割高となっているのは、青函トンネルの維持費などが大きいことが理由です。

 航空機料金はLCCの台頭で価格競争となっています。新幹線料金の引き下げは現実的ではありませんが、新幹線の所要時分の勝負は困難です。新幹線もこれに「参入」し、価格で勝負してはいかがでしょうか。インターネット予約の特割など、料金設定にも多様性が出てきましたが、例えば駅で購入できる「特割きっぷ」があれば、ビジネスマンの急な出張にも対応できるはずです。

 余談になりますが、現行の千歳線南千歳~新千歳空港間の140円加算も、空港連絡の新線建設費の負担金になっています。あと5年程度で回収できるそうですから、加算料金撤廃後は航空機の利用に拍車がかかる可能性もあります。



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Author:dieseltrain


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