維持困難12線区の方向性が決まる

 2018.02.17

 先日、維持困難線区における道の考え方が公表されました。道の鉄道ネットワーク・ワーキングチーム・フォローアップ会議は、維持困難12線区のうち、宗谷本線(名寄~稚内)、根室本線(滝川~富良野、釧路~根室)、富良野線、石北本線、釧網本線、日高本線(苫小牧~鵡川)、室蘭本線(沼ノ端~岩見沢)の8線区を維持する線区と決めました。

 一方、根室本線(富良野~新得)、留萌本線、日高本線(鵡川~様似)の3線区は、ほかの交通機関の転換を含めて検討。札沼線(北海道医療大学~新十津川)はバス転換も視野が明記されました。

 公表された資料を確認すると、公表前から報道されていた線区の優先順位がなく、線区名が道北、道東、道央、道南の順番で書かれていました。

 道の会議は優先順位をつけることで、「勝ち負け」「地方切り捨て」と認識されることを心配しているようです。しかしながら線区の存廃判断に「強弱」があることが注目されます。


 <維持困難12線区の方向性>
 宗谷本線 名寄~稚内 「維持に向けてさらに検討を進めるべき」
 根室本線 滝川~富良野 「路線の維持に努めていくことが必要」
 根室本線 富良野~新得 「他の交通機関との連携、補完、代替も含めた
              検討・協議を進めていく」
 富良野線 富良野~旭川 「路線の維持に最大限努めていくことが必要」
 留萌本線 深川~留萌 「他の公共交通機関との代替も含め、検討・協議を進めていく」

 石北本線 新旭川~網走 「維持に向けてさらに検討を進めるべき」
 釧網本線 東釧路~網走 「路線の維持に最大限努めていくことが必要」
 根室本線 釧路~根室 「路線の維持に最大限努めていくことが必要」
 札沼線 北海道医療大学~新十津川 「バス転換も視野に検討・協議を進めていく」
 日高本線 苫小牧~鵡川 「路線の維持に努めていくことが必要」

 日高本線 鵡川~様似 「他の交通機関との代替も含め、検討・協議を進めていく」
 室蘭本線 沼ノ端~岩見沢 「路線の維持に努めていくことが必要」


 まず、宗谷本線と石北本線は、間違いなく維持が決まったといえます。この2線区は特急列車走行線区となっており、昨年のうちに維持が表明されていました。しかし他の線区については全体的にあいまいの表現となっています。

 観光路線となっている富良野線、釧網本線、釧路~根室間は「維持に最大限努めていく」。一方で地域輸送が中心の滝川~富良野間、苫小牧~鵡川間、沼ノ端~岩見沢間は「維持に努めていく」。この部分がいわゆる報道にあった優先順位となっており、表現の「強弱」によって優先順位を示唆しています。

 維持する「強弱」は、財政支援などの影響があると思われます。宗谷本線、石北本線は道が積極的な関与を示していますが、維持する線区でも「最大限」という文言があるかないか。この点で支援の規模が変わってくるのではないでしょうか。

 一方、廃止対象線区とされる4線区のうち、留萌本線、鵡川~様似間は「他の交通機関の代替」、富良野~新得間は「他の交通機関の連携、補完、代替」、札沼線は「バス転換も視野」とされました。

 廃止の順位については札沼線が先行しており、廃止が避けられない状況。留萌本線、鵡川~様似間はきわめて厳しい状況。富良野~新得間はJR北海道が復旧工事を凍結しており、厳しい状況にあります。

 昨年12月、JR北海道再生推進会議の有志が「道のリーダーシップが十分な対応がなされているとはいえない」と指摘しました。維持困難線区の公表から約1年3か月、この間、無駄な時間だけが過ぎていたように思います。

 道の検討結果は、JR北海道が2016年11月に公表した維持困難線区の方向性とまったく変わりません。この迅速な対応がなぜ、もっと早くできなかったのでしょうか。失った時間があれば、将来の交通について、充実した協議ができたはずです。

 再生推進会議の有志は、1年以内に方向性を示すように要望しました。これでは、なんでも焦って決めなければなりません。

 維持困難線区に指定されることを先読みし、16年8月に「攻めの廃線」を敢行した石勝線夕張支線(新夕張~夕張)の地元夕張市は、着々と地域再生に向けて歩んでいます。

 「時は金なり」と申します。これまでのこう着状態は、かえすがえすも無駄であったように思います。



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Author:dieseltrain


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