維持困難線区の優先順位

 2018.04.01

 JR北海道は2017年12月、「維持困難13線区」の見直しは、不退転の決意で取り組むと表明しました。2018年度事業計画では、17年度に続いて、廃止対象3線区はバス転換、維持する8線区は地元、道、国と連携を明記しました。

 また、19年4月1日の廃止が決まった石勝線夕張支線(新夕張~夕張)は、地元夕張市と将来の交通体系を検討。16年12月に復旧断念となった日高本線(鵡川~様似)は、他の交通機関との代替を含めて、協議が進められます。

 道の有識者会議は今年2月、夕張支線を除く「維持困難12線区」の報告書を公表しました。内容は16年11月にJR北海道が公表した方向性とまったく同じでした。違うのは各線区の存廃が不透明になっていたことです。報告書にはありませんでしたが、維持の優先順位は5段階とされています。

 地元ブロック紙は先月31日の朝刊2面で、「維持困難2線区に新役割 道が交通政策指針」と報じました。道の運輸交通審議会が2月に道知事に答申した「北海道交通政策総合指針案」を修正し、成果としてまとめたという内容です。

 この修正は、「維持困難線区」の根室本線(富良野~新得)、室蘭本線(沼ノ端~岩見沢)の2線区について、従来の線区の評価に、文言が追加されたようです。

 廃止対象線区の富良野~新得間は、石勝線の代替ルートや観光列車のルートの観点も考慮する。また、維持される方向にある沼ノ端~岩見沢間は、貨物列車のう回ルートの役割が、それぞれ明記されているようです。

 -優先順位-

 JR北海道は18年度事業計画で、輸送密度1日200人未満の線区については、鉄道からバス等への転換について地域との協議を進めると明記しました。

 一方で道は、富良野~新得間について、「他の交通機関との代替」から維持する方向に舵を切る可能性が出てきました。この方向性がほかの廃止対象線区にも波及する場合、JR北海道の抜本的な見直しが「骨抜き」に終わる可能性もあります。

 道の維持の優先順位は上から、「維持に向けてさらに検討」「維持に最大限努めていく」「維持に努めていく」「他の交通機関との代替を含めて検討」「バス転換も視野」となっています。

 富良野~新得間は上から4番目、沼ノ端~岩見沢間は上から3番目となっていますが、交通政策の修正は、優先順位の「格上げ」の可能性も十分あります。

 根室本線の沿線自治体は、線区の廃止に反対しており、これは追い風となって勢いづくでしょう。

 -3期連続の赤字-

 地元ブロック紙は先月28日の朝刊9面で、「JR 赤字最悪179億円」「新年度計画 土地売却益が減少」と報じました。JR北海道は18年度収支予算について179億円の赤字を見込んでおり、赤字が確定すると3期連続となるそうです。

 いわゆる「三島会社」は「本業」で利益を上げることが不可能とされています。このため、「経営安定基金」とグループ会社の利益などにより、「本業」の赤字を埋め合わせています。ところがJR北海道はそれがあっても、経営が厳しい状況です。

 JR北海道は「維持困難線区」の見直しにあわせて、より一層の情報開示や自助努力に取り組むとしています。しかし「無い袖は振れない」といいます。18年度は資産の売却益が例年より少ないそうです。これ以上、手放すものがないとすれば、いよいよ「本業」の抜本的な見直しに着手しなければなりません。

 「維持困難線区」は13線区の合計で、年間約150億円の赤字となっています。やはり、少なくとも営業係数1000以上の線区は存廃に関係なく、経費の見直しが必要ではないでしょうか。

 なぜ、100円の収益を得るために、10倍の費用が必要となるのか。限度というものがあります。



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