根室本線(花咲線)の取り組み

 2018.04.15

 JR北海道は2018年6月1日から、根室本線(釧路~根室、愛称花咲線)の「普通列車を観光列車にする取り組み」を開始します。

 取り組みの概要は、「見どころを『ゆっくりと』走ります」「東根室駅で停車時間を拡大します」「見どころを『音声ガイド』GPSアプリでご案内します」「列車内で『ご当地弁当』を楽しめます」「見どころを車両に『ラッピング』します」の5項目となっています。

 花咲線は1998年度から輸送密度1日500人未満の線区です。そこから一度も1日500人を超えていません。

 国鉄改革が行われた1987年度は1日1006人となっていましたが、発足から11年で半分に減りました。2011年度には1日391人となり、国鉄改革以来最低を記録しましたが、12年度以降は持ち直す動きがあります。

 運行7年目を迎える「ルパン三世ラッピングトレイン」などの取り組みが効果をあげているようです。

 また、花咲線はJR北海道の維持困難線区に指定されています。上下分離方式などの導入が検討されていますが、線区の維持に向けて、課題が少なくありません。道は「路線の維持に最大限努めていくことが必要」と考えています。

 普通列車を観光列車にするというのは、どういうことでしょうか。

 JR北海道の線区データによると、花咲線は釧路~厚岸間の利用が多くなっており、厚岸~根室間の利用は、釧路~厚岸間の半分以下です。スクール輸送が中心の朝夕時間帯を除いて、一部列車がいわゆる「空気輸送」となっています。

 沿線で見どころの「別寒辺牛湿原」(厚岸~糸魚沢)、「落石海岸」(別当賀~落石)はいずれも厚岸~根室間にあります。

 当該区間で減速運転を行う5627Dおよび5626Dは、比較的利用が少ない時間帯に走行しており、観光利用を増やすことで、「空気輸送」を減らす狙いがあるようです。

 17年2月から運行を開始した釧網本線の「流氷物語号」は、大人気だった「流氷ノロッコ号」を取り替えた列車です。しかしながら使用するキハ54形気動車は、定期列車との共通運用があるため、観光列車仕様への改良は限定的となりました。

 JR北海道釧路支社の調査で、15年度の「流氷ノロッコ号」は1日平均602人が利用しました。ところが車両を取り替えた16年度は1日平均222人まで激減し、17年度は1日341人と持ち直しました。

 定期列車の観光列車化は、経費をかけずに観光利用を増やす施策として注目されますが、観光列車は、観光に特化した車両が望ましいことは確かです。



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Author:dieseltrain


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