選択と集中を加速させる

 2018.07.29

 27日、「JR北海道の経営改善に向けた取組」を着実に進めるため、国の監督命令が出されました。JR北海道は、監督命令を受けて、2031年度の経営自立を目指します。

 「JR北海道の経営改善に向けた取組」は、札幌圏、新千歳空港連絡、北海道新幹線を強化する一方、維持困難線区の見直しを進めます。

 国は維持困難13線区のうち、廃止対象5線区を支援せず、地域の足となる新たなサービスへの転換をうながします。

 また、維持される8線区については、19,20年度を「第1期集中改革期間」に指定し、利用促進や経費削減などの取組が行われます。その結果を反映して、21~23年度の「第2期集中改革期間」に移行します。23年度は「集中改革期間」の最終年度となります。

 残念ながら「集中改革期間」の5年間で、維持される8線区の経営改善は難しいでしょう。維持困難線区の輸送密度は、国鉄改革の時点で、全線区が国鉄再建法の転換基準未満でした。また、維持される8線区は16年度、合計約131億円の赤字となっていました。

 国の支援は19,20年度の2年間で、総額400億円台となりますが、まさに「焼け石に水」となるおそれがあります。

 国の支援は、JR北海道の徹底した経営努力のほか、地方自治体等から同水準の支援が行われることが前提にあります。しかし地方自治体が巨額の財政負担ができるとは思えません。このため維持される8線区についても、将来的には他の交通機関に転換する可能性があります。

 JR北海道は先月、維持される8線区について、収支をチェックして5年ごとに存廃を判断する方針を明らかにしました。しかし維持困難線区の地元などから猛反発にあいました。JR北海道はすぐに方針を撤回しましたが、国の監督命令を見れば、これが間違いではないことがわかります。

 国は「集中改革期間」として、19~23年度の5年間を設定しました。そして23年度に総括的な検証が行われます。これはJR北海道の方針と合致します。維持困難線区の抜本的な見直しを急ぐJR北海道は、国の後ろ盾を得たようなものです。

 国の監督命令は、JR北海道の徹底した経営努力、経営の自立を求めています。国が手厚い支援を行えば、国鉄改革の趣旨に反することになります。

 支援は「維持できる8線区」「貨物列車走行線区」「青函トンネルの維持管理」「快速エアポートの設備投資」に限定されます。設備投資以外は助成で、国に返済しなくていいお金です。設備投資は2分の1が助成。残り2分の1が無利子貸付です。

 国の監督命令は、JR北海道の「選択と集中」を加速させることになるでしょう。



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Author:dieseltrain


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