江差線の廃止から見えるもの

 11日の営業運転をもって廃止された江差線木古内~江差間は、2011年度の輸送密度が1日41人で、道内ワースト1位の超閑散線区でした。

 JR北海道発足当初の1987年度は1日253人だったので、当時は約6分の1まで減ったわけですが、13年度の同区間の輸送密度は1日165人に増加し、道内ワースト1位は札沼線北海道医療大学~新十津川間の1日81人となりました。

 これは、江差線の廃止が公表された12年9月以降、全国から「乗り納め」に来たということにあり、2年で利用客が4倍になるというのも、「廃止」というアナウンス効果があったわけです。

 -江差線の廃止基準-

 木古内~江差間の廃止は、新幹線開業後、並行在来線から外れた同区間が「飛び地の経営」となることが決め手となりました。

 「飛び地」で困るというのは、木古内~江差間が当時の道内ワースト1位の線区で、しかも、年間3億円以上の赤字となっていたことにあります。

 JRは、江差線代替バスの設備投資費用など、18年間で9億円を負担することになっていますが、1年で5,000万円の負担であれば、鉄路を維持するよりも6分の1で済むわけですから、これならバス転換もやむなしです。

 経営の足かせになるので廃止という基準は、超閑散線区の今後のあり方に一石を投じるものです。

 -気になる計画運休-

 冬季の札沼線や留萌本線で、自然災害による計画運休というケースも散見されるようになりました。早めの運休を行うことで、旅客の安全を確保する狙いがあります。

 一方で人員を札幌圏や道央圏に多く投入し、閑散線区に投入する余裕がないというJRの事情もあるようですが、不採算線区には、それ相応のことしかできないというシグナルのようにも見えるわけです。

 -JRだから安泰ではなくなった-

 国鉄時代は、赤字ローカル線を徹底的に切り捨てました。それでも、国営の身分では、路線の廃止というのは簡単ではありませんでした。

 時代は変わり、いまや「民営化された」JRが路線を承継しているわけで、国鉄時代のように超赤字路線でも、地元の抵抗があればなんとかなるという時代ではなくなりました。

 昨今、札幌延伸の工期短縮がささやかれ始めました。

 JRの経営強化のためとして、不採算線区の切り捨ても止むを得ないという空気にならなければいいのですが。




広告


広告

広告

プロフィール

Author:dieseltrain


-

-